でんさい始まる

■コロナ危機で大きく進化した世界

リモートワークが日常となり、世界中の人とテレビ会議でリアルタイムに仕事ができます。

各種申請も電子化が進み、多くの場所で判子というアナログの認証機能が次世代型に進化を遂げつつあります。

……あれ?この出だし2度目?もうオチが見えてきましたね。

まあ、いいや。

そうです!当社もついに でんさい を始めました!

事業をやらない人なら「はぁ?なにそれ」ということでしょう。
でもこれは、日本の経理・資金繰りに革命が起きた記念日なんです。

なぜかというと――

約束手形が、ついに廃止されたから!!

■約束手形とは

ほんま地獄のシステムです。

「おかげさまで今月も無事に納品完了!やったー!」

そう思ってホクホクしていたのも束の間、相手先から渡されたのは――
一枚の小切手。これがいわゆる「約束手形」です。

この紙にはなんと半年後の月末に支払います。と書いてあります。

?えっ、半年!?

いま仕入れた材料費も、払った人件費も、出ているのに?

そのお金、入ってくるのは180日後!しかも、利子ゼロ。

銀行だったら容赦なく「年利いくら?」って言い出して利子を貪り食うところですが、手形では「未来に払う約束だけ」です。

もちろんお得意様からの有難ーい、お支払いなので

「払っていただけるだけありがたや、ありがたや」

というのが約束手形なのです。

■当社は――「手形は切りません。現金主義です」

昭和の昔から、当社の社長は商工会議所で多くの倒産を目の当たりにしたらしいのですが、倒産の原因は未来に先送りした手形の借金、というのがほとんど。

つまり約束手形を切りまくって数か月後に資金繰りにいき詰まるというパターン。
よって当社は目の前の取引は目の前で完結をモットーに、無理に大口取引に飛びつかず、ちゃんと支払いがされる現金主義でやってきました。

でも業界の構造上、「いや、これ手形でしか出せないんで…」なんて言われると、泣く泣く受け取るしかありません。ただ、それだけなら別に大したことはありません。

本質はここからです。

「あの、ここの線の上に文字が被っているので訂正印を押してこちらに書き直してください」
「実印でお願いします」
「期日の実営業日の2日以内に来てください!」

こっちはめっちゃ忙しいんだけど、銀行にわざわざ行って手続きをしないと現金にならないのです!
……番号札を取って、順番を待って、印鑑忘れたら再来店。行列のやり直し。

もはや苦行レベル。

■でんさいとは?

さて、そんな呪いから、解放する目的で採用されたのが「でんさい」――

正式名称は「電子記録債権」。

ネット上で債権(売掛金)をやりとりできるシステムで、ある取引先から「支払いは半年後ね」と言われた場合でも、その情報を「でんさいネット」に登録すれば、金額・支払期日・相手の情報まで、電子的に記録されます。

紙・印刷・押印・郵送 → 全部不要!
譲渡や割引(現金化)も → オンラインで完了!
債権を分割して、別会社に回すことだって可能!
これはもう、経理の文明開化です。

■…ただし現実は

夢のような話で、眉唾だったのですが、実際に使ってみると、はい眉唾でした。
とはいえ、でんさいを使えば紙の手形は不要!
半年間、あの薄っぺらい紙を保管して、銀行に「お願いしまーす!」って行列に並ばなくていい。

そう、つまり――

結局、銀行に行かないで済むだけかーい!
(それでも大きなメリットではあるが…)


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