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※本記事は「技術解説編」です。先に公開したユーモア中心の「おちゃらけ版」とは若干時系列が異なるため、シリーズでお読みいただくと理解が深まるかと思います。
■LINEは無料……ではない!
試験的に導入していたAI愛子bot、原則職人とメッセージの返信をするだけなら無料で使えます。しかし業務用SNSの本来の使い方はAI愛子botから能動的に職人に指示を出すことです。これをPush型と呼びますが、しかし、LINEではPushメッセージは有料なのです。しかも結構高い。これはLINEが顧客をつかむためのコマーシャルツールとして使われることを想定しているからです。
社内でのコミュニケーションで無駄にメッセージをPushで使うのは正直もったいないです。
そこで、基本的にはReply形に変更することに。

■「Push型」ではなく「Reply型」でいく理由
業務用LINE Botの運用において避けて通れないのが、「Push型」と「Reply型」の違いです。
🔄 Push型とは?(=AIから能動的に送る)
Push型とは、Botが「ユーザーからのメッセージが何もなくても」「自動的にLINEメッセージを送信する」形式です。
たとえば以下のような使い方が該当します:
毎朝7:00に「今日は晴れです。気温は28℃です」と送る。
10分間無打刻だったら「打刻を忘れていませんか?」と通知する
工場で異常が発生したら即座に作業者に連絡する
こうした”自動通知”は便利ですが、LINEのMessaging APIでは有料となります。
月200通までは無料ですが、それを超えると従量課金制。
しかも、1通あたり約5円程度と、業務で頻繁に使うにはなかなかのコストがかかります。
📨 Reply型とは?(=人間の操作に応じて返す)
対してReply型は、ユーザーがメッセージを送ってきたときにだけBotが応答する形式。
LINEではこのReplyは完全無料で、無制限に使用できます。
以下のような使い方です:
「予定表見せて」と送ると「📅予定表はこちらです」と返す
「今の時刻打刻して」と送ると打刻する
「今日の天気は?」に対して応答する
つまり、Botが受動的なスタイルになることで、月額費用を大幅に削減できるのです。
💡「Push型」が便利すぎる落とし穴
もちろんPush型には魅力があります。
「言われなくても、AIが先回りして通知してくれる」という体験は、従業員にとってとてもありがたいものです。
しかし、それを日常的に使えば使うほど、毎月の利用料は雪だるま式に増えていきます。
例えば、全社員10名に毎日5通Pushすれば、月に1500通。
無料枠を超える500通×5円 = 月2500円の追加課金となります。
年間で3万円近くの通信コスト。
しかも、増やせば増やすほど際限がありません。
🧠 解決策:「擬似Push型」の構築
サンネームでは、この課題を乗り越えるために、「擬似Push型」という発想を導入しました。
これは、AI側からPushは送らないが、ユーザー側の行動をトリガーにして、即座に自動応答させる仕組みです。
たとえば:
毎朝、職人が「おはよう」とLINEを送る→そのメッセージをトリガーに、予定表や天気情報をまとめて返信する。
このように、日常の雑談や業務のやりとりを「トリガー」に見立てて、Replyで応答するだけで、Pushと同じような利便性を実現できます。
📉 Push依存からの脱却は「設計力」
LINE APIにおけるPushとReplyの違いを理解しないまま開発を進めると、後から「毎月いくらかかるか分からない通信費が発生するAI」になってしまいます。
しかし、今後、愛子を有能なアシスタントとして育てるのにはPush通知はこの先絶対に必要となる機能です。
……次回、大きな決断をします
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