metal die_technology3-9_blockgauge

3-8. ブロックゲージ

金型屋に必須の計測治具であり、基本セットは108個のゲージを有する。

■ ブロックゲージとは

ブロックゲージは、極めて高い寸法精度(通常±0.1μm~)を持つ長さの基準器であり、主に精密測定・測定器の校正・加工機械の基準設定などに用いられます。材質は鋼、セラミック、超硬合金などがあり、摩耗やサビへの耐性に応じて選ばれます。特に金型加工業では、正確な基準寸法を出すために不可欠な計測治具です。

一般的な基本セットは108個構成で、1.000mm~100.000mmまでのサイズを、さまざまな組み合わせで正確に構成できるようになっています。また、ミリ台(1mm〜100mm)、サブミリ台(0.5mm、0.2mmなど)、μm単位(0.01mm〜0.9mm)のゲージを揃えることで、任意の長さを構成可能です。

■ ブロックゲージの使い方

ワークの確認および測定器の準備

使用前には、ワークや測定器(マイクロメーター、ハイトゲージ等)が清掃され、温度も20℃前後の標準状態で安定していることが望まれます。温度差があると膨張により誤差が生じます。

ブロックの選定と組み合わせ

目的の寸法に近いゲージを、できるだけ少ない個数で構成します(3個以下が理想)。たとえば25.00mmを作る場合、20.00mm + 5.00mm のように組み合わせます。

ワリング(摺り合わせ)

ブロックゲージの表面はナノレベルで非常に平滑に仕上げられており、特殊な手法で軽く擦ると「分子間力」により密着します。これを「ワリング」と呼びます。

ゲージの面同士を「滑らせて吸着」させるように組み付け、空気を抜くように軽く押し当てることで、高精度な寸法合成が可能となります。

使用例

マイクロメーターのゼロ調整や、正しい表示確認

加工機のZ基準高さの設定

ハイトゲージの精度確認

金型部品のすきま測定や基準面の高さ確認

使用後のメンテナンス

使用後は、ゲージ面の油や皮脂を中性アルコールなどで拭き取り、防錆油を軽く塗布して保管します。湿度変化やサビがゲージの寿命に大きく影響するため、乾燥剤を入れた密閉容器に保管するのが基本です。

■ 金型屋における役割

ブロックゲージは、**「金型寸法の基準点」**を確認するための中核的なツールです。設計公差±0.01mm以下の精度管理が求められる金型加工現場では、機械加工だけでなく、検査・仕上げ・組立工程においても使用されます。

ブロックゲージを正しく使用し、基準の信頼性を維持することは、製品全体の品質を左右するため、経験のある職人ほどその扱いに慎重です。また、若手にも「ワリングの正しい方法」や「温度変化の影響」などの教育が重要です。