3-3-1. CAMとは何か?
CAM(Computer Aided Manufacturing) とは、コンピュータを用いて製造工程を支援する技術です。金型設計では、CADで設計された図面データをもとに、工作機械(マシニングセンタ、ワイヤーカットなど)へのNCデータを生成する工程に使われます。
3-3-2. 金型製造におけるCAMの役割
金型製造において、CAMは以下のような役割を果たします:
・工程 CAMの関与内容
・図面入力 CADデータ(2D/3D)を取り込み、形状確認
・加工パス設計 工具の軌跡(ツールパス)を自動で生成
・NCデータ出力 マシニングセンタなどに対応したGコードの生成
・シミュレーション 加工前に仮想空間で干渉やミスを確認
・加工管理 加工順序や工具管理を含むデータ出力・管理
3-3-3. CAMの導入によるメリット
・加工の精度向上:人為ミスを削減し、高精度な工具パスを自動生成。
・加工時間の短縮:最適な切削条件とパスを自動算出。
・属人化の排除:職人の手作業に頼らず、設計意図を忠実に再現。
・トライ回数の減少:加工前に干渉やエラーをシミュレーションで検出可能。
・金型の標準化・データ管理:再利用可能な加工データベースを構築可能。
3-3-4. 代表的なCAMソフトウェア
ソフト名 特徴
– Mastercam 世界的シェア。3軸・5軸・複合加工に対応
– Fusion 360 CAM クラウド対応。設計から加工まで統合
– CAMWorks SOLIDWORKSと連携しやすい
– hyperMILL 高速・高精度なハイエンドCAM
– FeatureCAM 自動化されたツールパス生成が得意
※導入規模や業種、操作性で選定を検討が必要。
3-3-5. CAM活用のワークフロー(例:マシニング加工)
・CADデータ取込(.STEP, .IGES, .DXFなど)
・加工領域の指定(輪郭加工、ポケット加工、穴加工など)
・ツールパスの生成(加工順・工具の選定を含む)
・加工シミュレーション(干渉、加工ミスを仮想空間で確認)
・NCコードの出力(工作機械にあわせたポストプロセッサで生成)
・実加工(加工中のモニタリングもCAMで連携可能)
3-3-6. 金型製造におけるCAMの活用事例
プレート類の高速加工:2.5D加工を自動で分割し、効率よくツールパスを生成。
コア・キャビティの高精度仕上げ:3Dサーフェスに沿った等高線加工など。
部品ごとの加工履歴管理:再製作時の工数削減と品質再現。
3-3-7. 現場でのCAM活用の注意点
CADデータの精度と整合性が重要(CAMの出力精度に直結)
工具ライブラリと切削条件の整備(誤設定による工具破損防止)
加工現場との連携体制(現場担当者の加工意図も設計に反映)
ポストプロセッサの調整(各機械の仕様にあわせたカスタマイズ)
3-3-8. 今後の展望と導入のポイント
サンネームのような小規模工場では、CAMの導入によって「職人依存からの脱却」と「若手育成の効率化」を同時に実現できます。
・将来的には以下の方向性も見込まれます:
・AIによる最適ツールパスの自動提案
・金型知識のデータベース化による加工ノウハウ継承
・クラウド上でのCAMデータ共有・遠隔加工指示