古き良き機械と技術承継への道

当社の製品加工に欠かせないのが、シャーリング機。

このブログでも何度も登場している、野球で例えるなら『七番セカンド』。目立たないけれど、いないとチームが機能しない、いぶし銀の守備職人ポジションです。

現在の主力は2台。

それぞれ 『スーパーヒロコ1号』『スーパーヒロコ2号』と呼び、日々大切に使い込んでいます。

ちなみにこの愛称、お近くのプレス加工業の大先輩からのアドバイスによるもの。

「サンネームさんよ、機械は大事にしなさい。女性のように利益を”産んで”くれる存在だから、愛着が湧くように女性名をつけなさい」

という言葉を受け、現在も従業員が尊敬してやまない、すでに引退された当社の偉大なる先輩シャーリング職人の名前を拝借して名付けました。

なお、主力プレス機たちはというと、彼らはまさに 「内外野を守る無骨なパワーヒッター野手」

彼らに関しては激しい仕事ぶりのあまり、「出場選手登録抹消」(要するに大規模修理送り)されることもしばしばなので、専門医(メーカー)を呼んでのトミージョン手術が日常です(笑)

ほんと金がかかってしょうがない

■ スーパーヒロコ2号、ご機嫌ナナメ

そんなある日、比較的メンテが不要なシャーリングのうち、主力のスーパーヒロコ2号にトラブル発生。
なんと、回転軸に動力が伝わらず、刃が動かないというまさかの事態に。

「無念、腕が動かぬでござる……」

まるでエースの石川五右衛門のような悲哀に、社内には一気に暗雲が。

──いよいよ引退勧告(買い替え)か。

実は少し前、シャーリング刃の交換を行ったのですが、それは1号のほう。
2号は比較的やわらかい材料を専門にしていたため、刃の摩耗が少なく、交換を後回しにしていたのです。

「あたしの刃は、変えるつもりはないのかしら」

……スーパーヒロコ2号がそう言ってイジけたのでしょう。

「こ、これは古の鉄に魂が宿っただー!」

(鬼滅の刃 刀鍛冶の里編より)

…とこの人が言いそうですが、
まさにそんな感じ。

■ 原因は「調整ネジ」そして、オーバーホールへ

懇意にしている業者さんにお願いして分解を進めた結果、原因は「調整ネジ」。
固定用のネジが軸に食い込んで、ブレーキのように動作を阻害していたのです。

「あぁ、そこよそこ、そこなのよ…ずっと痛かったの」

この訴えを聞き、古い機械であるがゆえに、思い切ってオーバーホールを断行。

結果――完全復活!

シャキーン

今宵の真・斬鉄剣は ひと味 違うぞ

当社のエース君も一刀入れてこのセリフをつい口ずさむことに…

(※イメージ)

コツンコツンと鳴っていた不快な音も消え、動作も機敏に精度も高くなりました。これぞオーバーホールの醍醐味。

「どのネジがどこを支えているのか」「どう作用しているのか」ということも、よくわかるようになりました。

これぞ“鉄の機械”ならでは。

■ 古き良き機械、そして技術継承への想い

近年の機械は、ほとんどがコンピュータ制御。
設定も数値入力ですぐ調整できる便利さがあります。

しかし、こうした古いシャーリング機は、構造こそシンプルでも、非常に繊細で緻密なバランスのうえに成り立っているのです。

今や、これらの機械を整備メンテナンスできる職人は本当に貴重な存在。
それなのに、多くの古の機械は今も現役で多くの商品をぶった斬っています。

だからこそ、当社ではこの整備・修理の技術も、次の世代へとしっかり継承していきたいと考えています。


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